弁護士の仕事は、医者と同じで、同じ肩書きでも、人によって事件の捉え方、解決方法の見つけ方は大きく異なります。それゆえ、事件解決のための具体的な戦略も人によって異なります。ですから、ある弁護士の助言が、ご自身が望んでおられる解決のためにベストなものかを見極めていただく必要があります。そのために、以下のようなことを意識して法律相談に臨まれることをお勧めします。

 まず、ある弁護士の助言がベストなものとは限らない以上、医療でいうところの「セカンド・オピニオン」、つまり他の弁護士の助言を得ることも時に有用です。

 また、実社会においては、法制度や実務の運用などが、常に変化しておりますので、そのような変化をその弁護士が把握しているかどうかも重要な場合があります。

 具体的な局面で、弁護士の姿勢として大切なことは、依頼者の利益のために、どのような戦術を立ててくれるかということです。たとえば、離婚事件や、遺産相続事件で、隠された財産があるのではないかという場合、それを見つけ出すために、裁判所での調査嘱託手続を利用する場合があります。それも、銀行の支店名の特定が必要となりますので、事前の調査や相手方とのやり取りでそういった情報を得られれば、より効果的に財産を見つけ出すことが出来ることもあります。こういった助言、方針をきちんと立ててくれる弁護士かどうかが良い弁護士かどうかを見極める目安になります。

 もう1点、依頼者の利益をどう捉えるかということも、非常に難しい場合があります。それは、経済的な利益だけでは図れないことも少なくありませんし、解決のためにかかる時間や、金銭的なものと引き換えに失ってしまうものもありますから、依頼者にとってのトータルな利益とは何かを様々な角度から検討してくれる姿勢があることもまた重要なことです。

 あと、これは単純に良い弁護士か否かを判断するための判断基準ということではありませんが、個人個人にとって、意外と重要なこととして、相性の問題があります。同じ結論を導くにせよ、個々の依頼者が弁護士の説明する方針や結論に納得できるかどうかは、その弁護士の説明を受け入れやすいと感じられるかどうかにかかっていることも多いので、その意味で、人間的な相性も意外と大切なのです。

 弁護士の選択は、時に人生そのものを大きく左右することがありますので、ここに書いたことも参考にしていただき、ご自身にとって、ベストと思えるような弁護士を見つけて、より良い人生を築く一助としてください。