神奈川医療問題弁護団・山口医院被害者電話相談のご案内
横浜市都筑区の山口医院が,アトピー性皮膚炎の治療に際し,広告と異なりステロイドが混入したクリームを処方していた問題につき,当事務所が事務局事務所となっている神奈川医療問題弁護団が,4月5日(土),同6日(日)に,弁護士による無料電話相談を実施します。
ステロイドによる治療を忌避していた患者さん,特に,乳幼児である我が子に使用してしまった親御さんの衝撃は,計り知れないものであると思われます。一時的に症状が改善しても,将来的な副作用の心配がつきまといます。何よりも,「ステロイドを使用していない」と明言していたことを信じて受診した患者さんにとっては,裏切りであり,自己決定権を侵害されたといえます。
今回の電話相談は,神奈川医療問題弁護団により,こうした患者さんの声を集約し,法的救済につなげていきたい,として企画されました。同弁護団としては,今回の相談を通して問題の実態把握に努め,交渉や訴訟等,今後の方針を検討することとしています。
電話相談は,以下記載の日時に,特設の電話番号にて行われます。(※当事務所の問い合わせ番号や弁護団の通常問い合わせ用電話番号では受付を行いませんので,ご注意ください。)
日時 : 平成26年4月5日(土),6日(日) 午前10時から午後4時まで
電話 : 045-681-8686
(当日のみの特設電話。相談料無料(通話料はかかります)
弁護団ホームページ:http://www.kanagawa-iben.com/
医療過誤事件リレーエッセイ Vol.1
当事務所の弁護士は、全員が医療過誤事件に取り組んでいます。皆、いろいろな種類の事件を経験してきましたが、これからは、それらの経験等から感じたこと、考えさせられたことをリレーエッセイで御紹介していこうと思います。
まず、私が感じていることは、医療側が患者側に反論してくる場合(意図的なのかどうかはわかりませんが)、争点をあらぬ方向へずらそうとすることが、多いことです。例えば、普通だとあり得ないようなごく珍しい病態だった、と主張してきたり、通常の診断基準や診療の水準で考えれば、あり得ないようなことも、「否認」の主張をしてくることです。
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医療と人権
1 医療と人権
医療について人権の問題を考えるとき、近時真っ先に浮かぶのは、いわゆる医療過誤の問題でしょう。神奈川県内だけでも、ある大学病院の患者取り違え事件、別の大学病院において続いて起こった内視鏡の事件、脳血管医療センターによる内視鏡下穿頭血腫除去の事件等々、まだ記憶に新しいところです。そして全国的にみれば、それこそ毎日のように医療事故の事件が報道されています。 続きを読む