事務所トピックス

サクラサイト被害について

弁護士 谷川 献吾

「サクラサイト」という言葉をご存じでしょうか。典型的な例でいえば、有料出会い系サイトにおいて、架空の異性を演じるサクラが被害者に対して「実際に会える」あるいは「交際に至る可能性がある」と思わせて、大量の有料メッセージ交換をさせることで、多額のサイト利用料を支払わせるといった詐欺的商法です。メッセージ交換にかかる料金は1通あたり200~300円程度ですが、とにかく大量にメッセージをやり取りさせるため、被害額は数十万円から数百万円にのぼることがあります。酷いケースでは1000万円以上の被害を受ける方もいらっしゃいます。

サクラサイトの手口には、異性との出会いを餌にするもの以外にも、芸能人が精神的に調子を崩しているので相談相手になってほしいといった手口、資産家から多額の金銭をもらえる対象に選ばれたといった手口などがあります。

こうしたサクラサイトは、「メールオペレーター」「データ入力作業」といった名称でアルバイトを募集し、組織的に大量の人員を使って昼夜を問わずメッセージのやり取りをさせているのです。

 

大規模なサクラサイトグループについては検挙されるところも出ており、経営者や幹部クラスだけでなくサクラも逮捕されています。被害総額も大きく、社会的影響も少なくない事件ですので厳しい判決が出ており、末端のサクラのアルバイトであっても実刑判決が出たケースすらあります。とはいえ、いまだに新たなサクラサイトが出現し続けており、被害がなくなることは当分なさそうです。というのも、サクラサイトは一旦システムを作り上げてしまうと、運営会社やウェブサイトといった表に出てくる部分は簡単に取り換えることができ、運営グループ本体は隠れたままトカゲの尻尾切りのようにウェブサイトを使い捨てていくので、黒幕を捕えるのは簡単ではないのです。

 

神奈川県ではこういった悪質なウェブサイトによる被害の回復を目指す弁護士によって弁護団(悪質サイト被害対策弁護団)が結成されており、私も参加しております。平成25年8月27日、全国にある同様の弁護団と連携してサクラサイト被害の110番(電話相談)を実施しました。こういった企画によって被害回復につなげるという意義ももちろん大きいのですが、まだ詐欺と分からず利用料金を支払い続けている人が新聞記事等でこの相談を目にすることで被害に気づくきっかけになればと思います。

更新日 : 2013年09月27日 > 弁護士雑記, 消費者問題